キャンプ照明の主流はLEDランタン。その利点やオイル・ガスランタンとの違いとは?
これまでも電気ランタンはありましたが、LEDを使ったランタンはエコで長持ちかつ安全なことから現在の主流になりつつあります。そんなLEDランタンの選び方を見てましょう。そもそも、LEDランタンってどういうもの?
キャンプ場の夜の照明にランタンはマストアイテム。サイト全体を照らすほか、食事用のテーブルや料理用の調理台などにもあると便利です。さらにテントの中を照らす照明も必要ですが、基本的に火を使うランタンはテント内では使えません。テント内では電池式の懐中電灯やヘッドライトを使うものですが、LEDランタンの登場で、キャンプスタイルは一気に進化しました。
一般的なランタンはホワイトガソリンや灯油、OD缶やCB缶などを燃料に、マントルと呼ばれる網を焼いて発光させます。一方のLEDランタンは、乾電池や充電池を使って、半導体に電流を流した際に電子が衝突して発光する原理を応用しています。そのため、これまでのランタンよりもさまざまなメリットがあるんです。
ガスやオイルのランタンとは違う、LEDランタンならではのメリットとは?
LEDランタンは、これまでアウトドアで一般的であったガスランタンやオイルランタンとは違ったメリットがたくさんあります。その代表的なものをご紹介しましょう。
メリット1
LEDランタンは安全!
一般的なランタンは火を使うため高温になり、子供が触って火傷することがよくあります。他にも地面やテーブルに置いたときに倒してしまったり、テント内を照らそうとしたときにナイロン製の幕が触れて溶けてしまったりと、危険な一面もありました。その点、LEDランタンは熱くならないため、そんな心配は一切無用。何よりテントの中に持ち込めるので、テントの外で使うためのランタンと、テントの中で使う懐中電灯やヘッドライトを別々に用意する必要がないのもうれしいポイントです。また、テントやタープから出られない雨の日も重宝しますよ!
メリット2
LEDランタンは静か!
ガスランタンもオイルランタンも、気化したガスを燃料に火を燃やすので、ガスが吹き出す「シュー」という音と、炎が燃える「ゴー」という音が一緒になって、なかなかうるさかったりするものです。自然の中で過ごす際に、この「シュー」とか「ゴー」という音が気になる方には、無音のLEDランタンは非常にありがたいでしょう。
メリット3
LEDランタンはエコで低コスト!
ホワイトガソリンや灯油などの化石燃料や、ガス缶を消費するランタンと違い、電池式のLEDランタンは、充電池などを繰り返し使うことができるのでエコでコストが安いというメリットもあります。化石燃料は購入できる場所が限られますし、保管するのにも危険物管理のルールがありますが、電池なら入手しやすく、自宅で保管も簡単です。
メリット4
LEDランタンには虫が寄らない!
夏の夜は、オイルやガスのランタンの灯りには、けっこう虫が寄ってきます。時々「ジュっ」と音がして虫が焼け死んで、朝になるとランタンの中に大量に入っていることもあり、虫が苦手な方にはさぞ不快なことと思います。これに対し、LEDランタンには虫が寄ってきにくいんです。なぜなら、LEDが紫外線を出さないため、紫外線に集まる虫を寄せ付けないのです。ちなみに虫が苦手な方は、サイトで調理や食事をする際、照明用のLEDランタンと、虫を集める用のLED以外のランタンを併用するのもおすすめです。
メリット5
LEDランタンは災害時にも大活躍!
キャンプ以外にも、停電や災害時などの緊急用の照明として、LEDランタンは一家に1台置いておきたい照明器具です。自宅の照明としてはもちろん、避難する際に懐中電灯の代わりに足元を照らすのにも便利です。LEDだから照明時間、電池寿命も長いため、非常用持ち出し袋に常備しておくのも良いでしょう。その際、電池は液漏れ防止のため、抜いておくことをお忘れなく。
LEDランタン選びで押さえておきたい5つのポイント
キャンプだけでなく非常用の照明としても、一家に1台必須のLEDランタン。選ぶポイントは、明るさや電源方式、デザインなどさまざまあります。その基本的なポイントをご紹介しましょう。
ポイント1
明るさの単位は「ルーメン」でチェック
LEDの明るさは「ルーメン」の単位で表されます。当然数字が大きいほうが明るく、1,000ルーメンなら白熱灯で75W程度といわれますので、サイト全体は厳しいですがタープ下やテント内、テーブルの上の全体を照らすには十分といえます。1,000ルーメン以下のものは、手元を照らしたり、就寝時の枕元用にしたり。複数活用して間接照明的に使うことをおすすめします。
ポイント2
電源方式は多いほうが何かと便利
LEDランタンは電池式のものが多いのですが、なかにはUSBで充電できたり、AC電源が使えたり、太陽電池や手回し式充電池を搭載したりしたモデルもあります。普段は電池を使うにしても、光量調節できるモデルは明るくすれば電池の消耗も早く、緊急時に切れていたり、災害時などに電池が手に入らなかったりすることも考えられますので、電池以外の電源方式が多いにこしたことはありません。
ポイント3
可変式電球色をシーンによって使い分け
これはLEDランタンならではの特徴ですが、光量の調整だけでなく、電球色を変えることができるモデルもあります。蛍光灯のような白色は正確な色を把握しやすいので、調理したり、本を読んだりするとき向き。やや黄色がかった白熱灯色は、ゆっくりと寛ぎたいときにリラックスした雰囲気を作り出せます。
ポイント4
光量によって連続点灯時間が変わる
当然ながらLEDランタンの明るさを調整すると消費電力量が変わりますので、電池の持ち時間が変わってきます。最も明るくしたときで約6~8時間というのが一般的で、日が沈んでから寝るまでの時間を照らすのにはちょうど良いぐらいです。あまり深夜まで飲んで騒ぐのはキャンプマナーにも反しますので。なお、カタログのスペックに300時間を超える数字が記載されているものもありますが、その場合光量を抑えた使い方によるもので、室内の常夜灯程度と思っておいてください。
ポイント5
設置場所に合わせてデザインを選ぶ
『コールマン』の「クアッドマルチパネルランタン」のように照明部分を取り外して持ち歩けるようなハイブリッドタイプから、『スノーピーク』の「たねほおずき」シリーズのようにほんのり常夜灯として吊るすタイプまで、LEDランタンのデザインはさまざまです。ランタンスタンドを利用してサイト全体を照らしたり、ポールにランタンハンガーを設置してタープやテント内を照らしたりするなら大きめのランタン型を。また、手持ちで夜道を歩いたり、テント内で枕元に置いたりするならコンパクトタイプを。といったように用途によって使い分けるのがポイントです。
キャンプはもちろん災害用にも。LEDランタンのおすすめ10選
LEDランタンの種類や選び方についてお話してきましたが、最後に1つだけ言わせていただくと「ランタンは1つでは済まない」ということ。サイトのメイン照明、テーブル用、テント内用、夜中にトイレに行く際の懐中電灯代わりなど、いくつか用意するなかに、LEDランタンを上手に取り入れるのが良いと思います。以下ではキャンプ用から災害用まで、用途に合わせて選べるよう幅広くアイテムをご紹介します。
アイテム1
『コールマン』クアッドマルチパネルランタン
LEDランタンとして大ヒットしているシリーズがこの「クアッド」シリーズ。単一電池8本のHighモードで最大800ルーメン20時間連続点灯可能ですが、単一電池4本でも使用可能と、電源を使い分けることができます。ちなみにLowモードなら最大196時間も連続点灯できるので1週間点けっぱなしできるのは驚異的! サイト用ランタンとして使いながら、LEDパネルを1枚外して夜道を照らす懐中電灯代わりにも使えます。さらにUSB端子を電源にしてスマホを充電することもできて、非常用にも最適です。
アイテム2
『ジェントス』エクスプローラー EX-109D
LEDランタンといえば『ジェントス』といわれるほど、性能に定評のあるメーカー。小型で雨やホコリに強く、外装も頑丈なうえに、単一電池3本で最大1,000ルーメンという実力派。ハンドルで吊り下げたり、据え置きしたりしても安定する構造ですが、底部にフックが取り付けられているので、インナーテント内に逆さにぶら下げれば影のない室内照明として使うことができます。
アイテム3
『ルーメナー』ルーメナー2LEDランタン
手のひらに収まるスマホサイズで1,500ルーメンという大光量の『ルーメナー』の登場は、キャンパーにとって衝撃的な出来事でした。小型LEDランタンの大ヒットモデルとして、今ではシリーズも続々登場しています。電源は充電式で、満充電で8時間使用。しかも電気代は1円程度と高コスパ。防水・防塵・耐衝撃性を備え、マグネットフック付きなのでテントやタープのポールにも取り付け可能。遭難信号やSOS信号の発信装置も搭載し、モバイルバッテリーとしても使えます。
アイテム4
『クレイモア』ウルトラプラス
S、M、Lの3つのサイズを揃える『クレイモア』の「ウルトラプラス」は、小型LEDランタンで驚異の2,700ルーメン(Lサイズ時)を実現。ターボモードの最大光量で5時間以上連続点灯可能なうえ、クイックチャージ機能で7時間で満充電(Lサイズ時)が可能になりました。本体充電中にスマホへの電源供給ができ、バッテリーの残量がひと目でわかるLED表示機能も搭載しています。
アイテム5
『ARJAN』LEDランタン
楽天においてLEDランタンの売れ行きランキングNo.1のモデルがこちら。価格もサイズも手頃な小型LEDランタンなのにパワフルな光量が人気の秘密です。計測値760ルーメンながら、他社の1,000ルーメンのランタン以上に明るいと評判で、工事等の現場作業用、緊急時用などさまざまな用途に用いられています。吊り下げ、卓上など設置場所を選ばず、スマホ充電用バッテリーとしても10,000mAhの大容量。小雨や生活防水レベルにも対応するなど、コスパの高いモデルです。
アイテム6
『ダバダ』5WAY LEDランタン
非常用照明として、公立小学校にも納品されている実績あるLEDランタン。最高180ルーメンと、手元や枕元を照らすのにちょうど良いぐらいの明るさです。注目すべきは、5種類の電源から充電できる点。乾電池、USB電源や車載DCからの電源供給に加え。搭載する太陽光パネルからのソーラー充電は24時間で満充電。ハンドルを回す手回し充電は5分間の手回しで約20分点灯できます。非常時にはありがたい機能といえるでしょう。
アイテム7
『スノーピーク』たねほおずき
サイトを明るく照らすメイン照明や非常用・緊急時照明ではなく、雰囲気作りのためのLEDランタンを明確に定義したモデルとして画期的な「たねほおずき」。まるでろうそくの炎のように灯りがちらつく「擬似ゆらぎ」機能は、同様多種のLEDランタンに先駆けて搭載されました。インナーテントに吊るせば、程良い明るさ。形状がかわいらしいので、ガイロープに吊り下げたり、手元を照らす懐中電灯代わりにしたり、複数個ぶら下げて間接照明として使ったりと、さまざまな使い方が楽しめます。
アイテム8
『バルミューダ』The Lantern L02A
イノベーティブな家電メーカーとして人気の『バルミューダ』もLEDランタンをリリースしています。本体つまみを回転することで明るさと光の色が変化するとともに、ろうそくのようなゆらぎの光を選ぶことも可能。200ルーメン弱ですが、クラシックなランタンのフォルムは部屋のインテリアとも好マッチ。自宅でのリラックスタイム用の間接照明としてもいかがでしょう。
アイテム9
『ロゴス』バンブーコテージランタン
ボディに竹を使ったLEDランタンは、デザインとして画期的。見るからに温かみのある光を放ちそうですね。LED部はメタルガードで守られているので、落下時も安心。ロータリー式の無段階調光は、他のLEDランタンでは珍しい機能で、程良い明るさが欲しい方にはうれしい機能です。最大247ルーメンですが、数値より明るく感じるので、インナーテント内の照明としても十分。
アイテム10
『ランドポート』ソーラーパフ
外側にヨットセール生地で作られたカバーを取り付けて、光量を和らげる間接照明ですが、使ってみるとそこそこ明るいです。キャンプサイトの雰囲気作りや、ガイロープやペグの近くに設置するのはもちろん、自宅のベッドルームに置くのにも良さそうなアイテムです。ソーラーパネルを搭載しているので電池要らずで、カバーは折りたためるので携帯性も抜群。
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