キャンプに欠かせない焚き火台のおすすめ18選。選び方のポイントも徹底解説
焚き火台は今やキャンプの必需品ですが、どんなタイプを持っていくかでキャンプの楽しみ方は大きく変わってきます。正しい選び方とおすすめ品について見ていきましょう。食事も語らいも“焚き火”と一緒がキャンプの醍醐味
キャンプの醍醐味ともいえる焚き火。ファミリーキャンやグループキャンでは焚き火があると、食事はもちろん宴会や語らいの場が盛り上がりますし、ソロキャンなら焚き火を見つめているだけで、心が落ち着いて日常のストレスが解消されるなんて効果もあります。また夜のサイトを明るく照らしたり、冷え込む季節なら暖を取れたり、他にも飯盒でお米を炊いたり、ダッチオーブンを吊るして煮込み料理を作ったり……と、キャンプのさまざまなシーンで焚き火は欠かせません。
焚き火に必要な「焚き火台」とは?
焚き火といえば、枯れ葉や薪を集めて火を付ければいいのでは? と思う方もいるかもしれません。実際に子どものころ、庭先で焼き芋を焼いた経験がある方もいらっしゃるかと。では、なぜ焚き火台が必要なのでしょうか。その理由を解説しましょう。
地面で直接、焚き火をすることを「直火」といいます。キャンプ場によっては、直火OKとしているところもありますが、現在多くのキャンプ場が直火を禁止しています。その理由は、直火によって芝生や立木にダメージを与えてしまったり、燃え残った薪や炭が自然に返らず、いつまでも残されたままになってしまったりするからです。たまに直火OKのキャンプ場もありますが、その際も燃え残りや竈の処理は適切に行う必要があります。
また初心者にとって、直火は意外と難しいもので、薪を完全燃焼させるには、地面を掘ったり石をかまどのように組んだりして空気の通り道を作ってあげる必要があります。そのため焚き火台を使ったほうが、空気の通り道を作りやすく、炎が上がりやすくて火の持ちも良いのです。というわけで効率良く焚き火を楽しむため、そして自然と地面を守りながら燃え残った薪や炭が処理しやすいように、焚き火には焚き火台を使うことがキャンパーとしてのマナーなのです。
何を重視すべき? 焚き火台選びの3つのポイント
アウトドア用品を扱うショップに行くと、大きさやデザインもさまざまな焚き火台がありますが、基本的に焚き火台はキャンプのスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。焚き火だけでなく食事にBBQをするなら、網が使えるタイプを選べば焚き火台とバーベキューコンロを2つ持っていく必要がなく荷物を減らすことができます。とはいえ、最近はBBQには専用コンロを使い、キャンプの食事はバーナーなどを使う方も増えていますので、完全に焚き火を楽しむ専用として焚き火台を選ぶ手もあります。
ポイント1
調理に使うなら網がセットできるタイプを
焚き火を調理に使うか否かは、焚き火台選びの大切なポイントです。焚き火の強い火力を利用して飯盒炊爨やダッチオーブンで調理するなら、上から吊るすやり方もあるとはいえ、鍋を乗せることができませんので、ロストル(耐久性に優れた網)や網をセットできる焚き火台が必要です。焚き火台を調理に使うことができれば、BBQはもちろん、コンロ代わりにも使ます。実際、ベストセラーモデルの焚き火台は、コンロとして使うこともできるハイブリッドタイプが多く、初心者ならこちらを選ぶほうが間違いないといえるでしょう。
ポイント2
見た目にもこだわるならデザイン優先で
焚き火にポイントを絞った焚き火台なら、デザインも優れたものが多く、SNS映えする焚き火ができること間違いありません。専用台なら大きさも十分なので、火力も大きく安全に楽しむことができます。
ポイント3
ソロキャンにも便利な小型収納タイプ
ソロキャンプがブームの今、焚き火台はコンパクトなものが増えています。折りたためば、書籍程度の大きさになる焚き火台なんかもあります。そういったタイプなら、太い薪を購入する必要はなく、枯れ木や落ち葉を拾ってくるだけで、簡単に1人でも焚き火が楽しめます。
焚き火を楽しく安全に行うための6つのポイント
スムーズに着火できて、たっぷりとした炎をキープするために、焚き火のやり方のポイントと便利なアイテムをご紹介します。
ポイント1
スムーズな着火には着火剤を用意
マッチやガスライターから薪や炭に火を付けるのはそう簡単なことではありません。新聞紙や小枝や枯れ草などを使って少しずつ火を大きくしていくのがお約束なのですが、初心者は着火剤を用意するのが確実です。着火剤には固形タイプやジェルタイプなどありますが、扱いやすいのは固形タイプ。初心者の場合、一欠片では難しいので感覚がつかめるまではシート1枚分ぐらい使ってもOKです。あまり細かく割らず、大きな薪に火が付くまで注意して火の番をしてあげましょう。
ポイント2
送風装置を使えば炎を上げるのが楽々
焚き火の炎を上げるために酸素を効率良く送り込む必要があります。そのため薪を組み上げるときに空気の通り道を確保したり、うちわで仰いで風を送り込んだりする作業が必要になります。それを効率良く行いたいなら、送風装置を使うのが手です。
ポイント3
焚き火を全力で楽しみたいなら火起こしから
焚き火の着火にマッチやライターなんて邪道! という方のために、種火を作るところから焚き火を楽しむのはいかがでしょう。子どもたちと一緒に協力して、昔ながらの回転式火起こし器を使ったり、ファイヤースターターで火起こしを楽しんだり。災害時の備えとしても、良い機会になるのではないでしょうか。
ポイント4
焚き火のお世話には火バサミを使いましょう
火の燃え回りを良くするためには、適宜薪を移動したり空気の通り道を作ったり、こまめに手を入れてあげる必要があります。そんな焚き火をお世話には、火バサミを使いましょう。よく100円ショップなどでも買えるトングを使われる方がいますが、トングはBBQのときなど食材を扱うものと混同してしまうことがあるのでご注意を。確かな火バサミなら、簡単に薪がつかめて思い通りに火を育てることができます。
ポイント5
軍手より、確実な耐熱グローブを用意
火バサミを使うとしても焚き火の近くで薪をくべたり、調整したりする際には、火の粉が飛ぶので耐熱グローブはマストアイテムです。よく軍手などでされている方がいますが、火を使うときは専用のレザーのグローブを必ず用意してください。『グリップスワニー』など、焚き火グローブ界のステイタスブランドもありますが、個人的には袖まで覆える長めのタイプがおすすめです。
ポイント6
焚き火の最後に火を消すことも考えて
夜の焚き火は薪が燃え尽きるまで楽しみたいものですが、就寝時は確実に消化してからテントに入りたいものです。さらに冷え込んだ翌朝、暖を取れるためにもう一度火をおこしたら、撤収までには火を消さなければなりませんよね。そんなときに火消しつぼがあると便利です。長い薪はナタなどで切断して、火消しつぼで持ち帰りましょう。炭化した薪は火が付きやすいので、次回の焚き火のためにもとっておくことをおすすめします。
3つのタイプ別に提案。焚き火台のおすすめ18選
あらゆるシーンで使える定番の焚き火台を1台使い倒すのもかっこいいですが、シーンに合わせて焚き火台を使い分けるのもキャンプギアの醍醐味です。それではおすすめの焚き火台を3つのタイプにカテゴライズしてご紹介していきましょう。
▼タイプ1:BBQもできダッチオーブンも使える「調理可能焚き火台」
焚き火の炎で飯盒炊爨をしたりダッチオーブンで煮込み料理を作ったり、あるいは焼き網を乗せて肉や魚介類など地元の食材でBBQを楽しんだりといった楽しみ方をするなら、定番の焚き火台を選ぶのが良いでしょう。
アイテム1
『ピコグリル』398
今1番売れている焚き火台は、このスイスSTC社の『ピコグリル』を継承したもの。A4サイズに収納できるコンパクトさと軽さが特徴で、2枚のプレートを組み合わせてフレームに固定すればソロキャンからファミキャンまで、焚き火とBBQが十分できるサイズです。上部のロストルは耐久性もあり、鍋を乗せての調理にも使えます。
アイテム2
『ユニフレーム』ファイアグリル
使い勝手の良さで人気ナンバー1の焚き火台といえば『ユニフレーム』の「ファイアグリル」。焚き火はもちろん、炭火で焼き肉もできて、ファミリーキャンプ用焚き火台としてはベストセラーモデルです。焚き火の周りをぐるりと囲える「焚き火テーブル」の多くのモデルが、この「ファイアグリル」が使えるサイズでリリースされていますので、最初の1台としては間違いのない選択ですね。
アイテム3
『CARBABY』バーベキューコンロ
バーベキューコンロの多くは炭火利用を前提に作られたものが多いのですが、薪を燃やす焚き火台としての機能性を備えたモデルとして、こちらはかなり優れモノ。デザイン性に優れているうえ、組み立て時の大きさも適度なサイズで、収納時は平面状になってトートバッグに収納可能。価格もリーズナブルなので1台持っておいて損のないモデルです。
アイテム4
『スノーピーク』焚き火台L
『スノーピーク』の焚き火台は、S、M、Lの3つのサイズ、すべて同じ形状でリリースされていますが、付属の炭床Pro L(焚き火台の底に敷く鉄板)よりも、別売りの炭床Sサイズを使ったほうが深さが取れることは、ブランドユーザーの間では常識。火力を調整するため3段階に高さを調節できるグリルブリッジ、専用バッグも付属するセットには、芝を傷めないようにベースプレートが付いてくるあたり、さすがは自然を大切にする『スノーピーク』です。
アイテム5
『ダイレクトデザイン』ノートブックポータブルグリルSS
マガジンラックのように開く形状とステンレスのクールなデザインは、イギリスのガーデニングメーカーの秀作。何を隠そう、筆者が最初に購入した焚き火台がこれでした。BBQ時に使用する網が2枚形状になっていて、片側を開けて中の炭を足したり移動したりして火力調整できるのも使いやすさのポイントです。
▼タイプ2:デザイン性抜群! SNS映え狙いの「デザイン焚き火台」
BBQや調理に使わず、純粋に焚き火を楽しむための焚き火台を選ぶというのも良いのでは? 自宅の庭に据え置くタイプもありますが、持ち運べるならぜひともフィールドへ。SNS映え抜群で、焚き火がもっと好きになるはずです!
アイテム6
『コールマン』焚き火台 ファイアディスク
おしゃれ焚き火台の火付け役は、焚き火専用台として登場したこの「ファイアディスク」。プレートに折りたたみ式の脚が付いただけの形状がシンプルで美しいのはもちろん、これをファミキャンブランドと思われていた『コールマン』が率先して作ったことには拍手モノ! 専用の焼き網もあるのですが、筆者の周りでは使っている人を見たことないですね。それだけに「使ってないですね」っていうのが合言葉になっているぐらい、この焚き火台使っている人が多いんです。
アイテム7
『キャプテンスタッグ』ラウンドファイアピットUG-29
こちらも『コールマン』の「ファイアピット」と同じころに登場した焚き火台。ブロンズカラーの焚き火台は当時としては(今もですが)珍しく、焚き火で焼けてきたころの色は、なかなか味わい深いものがあります。焼き網もあるのですが、こちらもあまり使っている人は見かけません。その代わり、付属のメッシュフードが急に薪や木炭が爆ぜて火の粉の飛ぶのを防いでくれます。焚き火の火の粉でテントや服に穴が開く心配がないのはうれしいですね。
アイテム8
『オンウェー』聖火焚き火台
まるで聖火台みたいな焚き火台は、6枚のステンレス板を螺旋状に組み上げたもので、デザイン的にかなり優秀。しかもそのままたたんでバッグに収納すれば、積載も場所を取らず持ち運びも簡単です。中心部に火皿があるのですが、燃えた灰や薪が落ちやすいので、アルミ皿やホイルシートを敷いて地面を守るのが正しいキャンパーの使い方です。
アイテム9
『尾上製作所』CAMBi CB22
写真だとわかりづらいですが、実際はシルバーカラーで、焚き火というより、篝火を焚くトーチのようなイメージ。1台で暖を取れるより2~3台置いて使うのが良いでしょう。直径30cmの上部は以外と小さく感じるかもしれません。太い薪だと収まりきらないので、ナタで細く割るのは必須ですね。焚き火では薪割りも楽しみたい! という人にはうってつけだと思います。
アイテム10
『DOD』ライダーズファイアクレードル
ダッチオーブンや飯盒を吊り下げるフック付きのトライポッドは、焚き火台にセットして使うのが一般的なのですが、『DOD』のトライポッドは、焚き火用のメッシュシートをセットできるんです。実際に使用しているところに出くわしたのですが、この高さで火を焚くと、めちゃくちゃ暖かいんです! 鍋だけでなく、塊肉をぶら下げてワイルドに調理したり、やかんをぶら下げてお湯を沸かせたり、なかなかしゃれた使い方ができる焚き火台です。
アイテム11
『Mainstays』スクエア ウッド バーニング ファイヤーピット
77cm四方のファイヤーピットは大きさも十分。持ち運びには相応の積載量の車と体力が要りますが、大量の炎が上がって冬場のキャンプも大人数で温かく過ごせます。先程ご紹介した『キャプテンスタッグ』同様、メッシュガードが付属しているので火の粉を防ぐこともできますし、専用の火かき棒は無骨なスチール製でアウトドアにぴったり。広さのある中庭やバルコニーに常設しておいても良いかもしれませんね。
アイテム12
『ヤグーナ』ファイヤーボール
はい、出ました焚き火台の真打ち! 直径80cmのファイヤーボールは鉄製で約50kgと非常に重いので持ち運びは、はっきりいっておすすめしません。しかし、キャンブ場のオーナーさんや、ガーデンキャンプができる中庭のあるご家庭なら、買って損はないと断言させていただきます。ボディは無塗装の鉄製なので、使い込むほど錆びついていきますが、そこがかっこいい! 上部のプレートは4枚構造で、しっかり育てればBBQのプレートとして利用できますし、取り外しができるので洗ってメンテナンスも可能です。実家の庭に据え付けたい1台です。
▼タイプ3:ソロキャンにぴったりな「小型焚き火台」
ソロキャンプの醍醐味は、なんといっても好きなものを飲んで食べて、ひたすら焚き火を見つめる夜の時間に尽きますよね。そんなときはファミリーキャンプ用の焚き火台よりも、薪を燃やすことだけに特化した小型の焚き火台がマストです。
アイテム13
『笑’s』B-6
今のソロキャンプブームより以前といいますか、ソロキャンブームの火付け役といっても良いのかもしれないソロ用焚き火台がこの「B-6」です。折りたたむと20×16.6×5.6cmというコンパクトさ。グリルやロストルもリリースされていて、1人炊飯も、1人BBQも、何でもこなせます。ベテランソロキャンパーなら必ずといっていいほど使っている1台です。
アイテム14
『ムラコ』サテライトファイヤーベース
最近ソロキャンパーから人気の高い、アルミフレームにステンレスメッシュを張る焚き火台。収納すると直径7cm×長さ41cmの筒状になって、まさかこれが焚き火台とは思えないほどスタイリッシュです。メッシュ網の焚き火台は燃焼効率に優れるので、薪の燃え残りが少なくて後処理も簡単。メッシュは高熱でもろくなって穴が空くことがあるので、消耗品と割り切ったほうが良いですね。
アイテム15
『モノラル』ワイヤフレームライト MT-0016
フレームにステンレスメッシュの網の代わりに耐熱クロスを使って薪を燃やす台にするため、とにかく軽くてコンパクト。収納時は30.6×14.7×4.2cm、重さはたったの670g。バックパックにも入るので、山岳キャンパーにもおすすめです。メッシュタイプかクロスタイプかは悩ましいところですが、軽さなら断然クロスタイプと断言します。
アイテム16
『nCamp』折りたたみ式ソロストーブ
タブレットPC程度の大きさながら組み立てると立派な焚き火台に仕上がります。テーブル状の台の下に伸縮する煙突状のストーブが取り付けられているので燃焼効率が高いという逸品。コンロとしての使うときは、別途五徳を用意することをおすすめします。上部が小さいので鍋などで穴を塞ぐと燃焼効率が落ちますので。焚き火台として使うなら十分です。
アイテム17
『DOD』ぷちもえファイヤー
「国語辞典サイズ」と銘打たれているだけあって、かなりコンパクト。チャコールスターター風のデザインは、燃焼効率の良さを物語っています。特筆すべきは、上部に取り付けられた網というか小型のロストル部。ここにシェラカップを乗せれば、お湯を沸かせたり、調理できたりするのはソロキャンプではとっても便利ですよね。いつでもどこでも野遊びできるよう、車に積んでおきたい1品です。
アイテム18
『ウルフ&グリズリー』ファイヤーセーフ
クラウドファウンディングで登場時、話題になった焚き火台が一般販売されるようになりました。折りたたみ式フレームと蛇腹パネルの火床からなるシンプル設計で、収納時の厚さは約2cm。シンプルな箱型の焚き火台は、直火を思わせるありそうでなかったデザインで、純粋に炎を楽しむのに最適なのではないでしょうか。
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池田 やすゆき
「FINEBOYS」編集部を30歳で独立。以後フリーのファッションエディター&ライターとして「MEN’S EX」「LEON」「GQ」「AERA STYLE MAGAZINE」など各メンズ誌・WEB版のほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。BBQインストラクター、第二種電気工事士など資格多数。目下の目標は危険物取扱者乙種4級取得。
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